不動産を相続するときにかかる税金の種類は?使える控除もご紹介

不動産を相続するときにかかる税金の種類は?使える控除もご紹介

不動産を相続するときは、不動産の価値に応じた税金を納める必要があります。
ただし、必ずしも税金を満額支払わなければならないわけではなく、控除を利用すれば軽減できる可能性が高いです。
そこで今回は、不動産を相続したときにかかる税金の種類や計算方法、利用できる控除についてご紹介します。

不動産を相続するときにかかる税金の種類

不動産を相続するときにかかる税金の種類

不動産を相続するときは、その手続きや不動産を相続することそのものに税金がかかります。
不動産の相続時に課されるのは、登録免許税と相続税の2種類です。

登録免許税

不動産相続時にかかる税金の一つに、登記手続きのための登録免許税があります。
登録免許税は、不動産の権利関係の登記手続きをおこなうための手数料に相当する税金です。
不動産相続時には、相続登記という手続きにおいてこの登録免許税が必要となります。
相続登記では、不動産の名義人を故人から相続人に変更する手続きをおこないます。
相続登記は相続人の義務であり、手続きを怠ると罰則が科されるため、注意が必要です。
登録免許税は、原則として銀行の窓口で現金納付し、領収書を法務局に提出することになっています。
ただし、収入印紙を貼って納付する方法も認められており、オンライン申請の場合は電子納付も可能です。

相続税

不動産相続時に課される税金の一つに、相続財産に対する相続税があります。
相続税は、故人から相続人が相続する財産の価値に応じて課される税金です。
不動産だけでなく、現金や証券など相続人が受け取る全てのプラスの財産に相続税が課されるため、注意が必要です。
相続税には基礎控除額が設けられており、相続財産の総額がこの基礎控除額を超えると納付が必要となります。
相続税の金額は自分で計算する必要があり、一括で納付しなければなりません。
相続開始から10か月以内に相続税額を申告し、納付書を作成して金融機関などで納める必要があります。
「国税クレジットカード支払いサイト」を利用すれば、クレジットカードで納付することも可能です。
ただし、クレジットカードでは1回につき1,000万円未満の税金しか納付できません。
また、領収書が発行されず、カードの利用限度額までしか納付できない点にも注意が必要です。
とはいえ、インターネット環境があれば、自宅をはじめどこからでも納付が可能です。

不動産相続にかかる税金の計算方法

不動産相続にかかる税金の計算方法

不動産相続時、税金は基本的に自分で計算して申告する必要があります。
また、登録免許税についても、法務局に書類を提出するときには収入印紙を用意しておく必要があるため、計算の方法を知っておくとスムーズです。

登録免許税の計算

登録免許税は、登記手続きの種類によって税金の計算方法が異なります。
相続登記の場合、不動産の固定資産税評価額に税率0.4%を掛けることで計算が可能です。
なお、計算に使用する固定資産税評価額は、1,000円未満の部分を切り捨てます。
また、計算後の登録免許税については、100円未満の金額を切り捨てて納付する必要があるため、注意が必要です。
固定資産税評価額は毎年1月1日時点で不動産を所有している方に送付される固定資産税納税通知書に記載されています。
金額は3年に一度見直されるため、タイミングによっては前年と固定資産税評価額が異なることがあります。

相続税の基礎控除額の計算方法

相続税を計算するためには、まず相続財産に対する基礎控除額を計算する必要があります。
基礎控除額は一律の金額ではなく、相続人の人数によって変動するため注意が必要です。
ベースとなる控除額は3,000万円であり、そこに600万円を相続人の人数分かけた金額を足して基礎控除額を算出します。
つまり、相続税の基礎控除額を計算するための式は以下の通りです。
相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×相続人の人数
そのため、相続人の人数が多いほど相続税における基礎控除額も高く節税しやすくなります。

不動産の相続税評価額の計算方法

不動産にかかる相続税額を計算するためには、基準となる相続税評価額を算出する必要があります。
不動産の相続税評価額には、路線価方式と倍率方式の2種類の計算方法があります。
路線価方式は、主要な道路沿いにある土地に対して、国税庁が定めた路線価を確認する方法です。
倍率方式は、固定資産税評価額に特定の倍率を掛けて計算する方法です。
路線価が定められていない不動産は、倍率方式を使用して相続税評価額を計算しなければなりません。
相続税の計算では、これらの方法で得られた不動産の相続税評価額とその他の財産の評価額を合算し、基礎控除額を差し引いてから税率を掛けます。
相続税の税率は、課税対象となる財産総額によって異なるため、注意が必要です。

不動産相続時にかかる税金に使える控除

相続した不動産が高額な価値を有しているほど、支払わなければならない税金も高くなってしまいます。
相続時は、適切な控除を利用することにより相続税額を抑えて節税することが可能です。
ただし、控除を利用するときは相続税額と同じく自力での申告が必要になります。

住宅資金贈与制度

令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間、直系尊属から住宅の購入資金の贈与を受けると、贈与税が非課税となります。
直系尊属とは、自分から見て両親や祖父母にあたる親族のことです。
そのため、相続が発生する前にこの制度を利用して自宅を購入または増改築をおこなうことで、相続発生時に相続税額を減らせる可能性があります。
ただし、住宅資金贈与制度が利用できるのは、一定の省エネ性能を備えた住宅に限られ、非課税にできる金額にも上限があるため、注意が必要です。
また、相続が開始された後ではこの制度を利用できない点にも気を付ける必要があります。

配偶者控除

不動産を相続する方が故人の配偶者であれば、配偶者控除を利用して一定の金額までを非課税にすることができます。
配偶者控除は、配偶者が亡くなった方が相続税の高さから相続を諦めることを防ぐために設けられた制度です。
故人の配偶者の生活を守るための制度であり、不動産を含めた相続財産が1億6,000万円までであれば非課税となります。
これは基礎控除額を適用した後の課税財産に対して適用されるため、多くの配偶者は相続税を支払わなくて済むことになります。
ただし、配偶者控除を利用するためには戸籍上の配偶者である必要があり、内縁関係の方は利用できません。
また、相続税の申告期限までに遺産分割協議が完了し、相続税の申告書を税務署に提出しておく必要があります。

相次相続控除

立て続けに相続が発生し、相続税だけでも経済的に厳しくなった場合、相次相続控除を利用できる可能性があります。
これは短期間に相続が重なったときに、相続税の負担が過度に大きくなるのを防ぐための制度です。
故人から財産を相続した方が10年以内に亡くなると、次の相続人がさらに相続税を支払うことになり、課税の負担が増加します。
そのような場合に相次相続控除を利用すると、前回の相続で支払った相続税額の一部が、新たに発生した相続税から控除される仕組みです。
ただし、前回の相続時に相続財産が基礎控除額の範囲内であり、相続税が発生していない場合は利用できません。

まとめ

不動産相続時は、登記手続きのための登録免許税と、不動産に課される相続税の納付が必要です。
相続税を計算するためには、基礎控除額や相続税評価額などさまざまな計算をする必要があります。
不動産を相続するときは、特定の控除を利用すると相続税額を抑えられるでしょう。