
不動産の実勢価格とは?売却価格を決めるための基礎知識!
この記事でわかること
- ・実勢価格とは成約価格を基にした売却時の目安
- ・実勢価格の目安は公示地価の1.1〜1.2倍程度
- ・売却額は土地の条件や売却時期も併せて考える
- ・売り出し価格は過去事例と査定額を参考に決定
不動産の価格にはいくつかの基準があり、どの数字を見るかによって土地の価格は変わります。中でも実勢価格は、実際に成約した価格をもとにした目安です。
実勢価格は売り出し価格を考える際の参考になりますが、売却する時期や土地の条件によって実際の売却価格と変動することもあります。
この記事では、実勢価格の意味、主な調べ方、売却前に押さえたい注意点を整理してご紹介します。ぜひ、売却価格を考える際の参考にしてみてください。
不動産の実勢価格とは?
公示地価・基準地価との違い

土地の価格を決める基準は実勢価格以外にもいくつかあります。売却価格を考える前に、まずはそれぞれがどのような数字なのかを押さえておきましょう。
実勢価格とは
実勢価格は、実際の売買で成立した価格をもとにした相場の目安です。売り出し価格ではなく、最終的に成約した金額を見るため、市場でどのくらいの価格が付きやすいかを把握する材料になります。
ただし、実勢価格は過去の取引をもとにした数字です。そのため、売却する時期や周辺の売り物件数、土地の条件が変われば、同じ価格で売れるとは限りません。
公示地価とは
公示地価は、国土交通省土地鑑定委員会が毎年1月1日時点で公示する標準地の価格です。
一般の土地取引に対して指標を与える役割があり、不動産鑑定や公共用地の取得価格の算定、相続税評価や固定資産税評価の基準の一つとしても使われています。
実勢価格とは違い、実際に売買された価格そのものではなく、標準的な土地を基準に示された公的な価格です。
基準地価とは
基準地価は、都道府県が毎年7月1日時点で公表する基準地の価格です。
公示地価と同じく土地価格の目安になりますが、調査する主体と基準日が異なります。
また、公示地価と補完し合う位置づけにあり、地価の動きを見るときにも使われます。売却前に相場を見るときは、公示地価だけでなく基準地価もあわせて確認しておくと、時期の違いによる変化を掴みやすくなります。
路線価とは
路線価は、道路に面する標準的な宅地の価格を路線ごとに示したもので、主に相続税や贈与税の計算に使われます。
国税庁は、路線価を1月1日を評価時点として、地価公示価格等を基にした価格の80%程度を目途に定めています。
そのため、土地の価格帯をざっくり見たいときは、路線価から公示地価水準を逆算する考え方も使われます。
ただし、路線価は税額計算のための価格なので、そのまま売却価格を示すものではありません。
固定資産税評価額とは
固定資産税評価額は、固定資産税を計算する基準になる評価額です。
宅地の固定資産税評価額は、地価公示価格等の7割程度を目安に評価されるため、地価公示と連動する関係があります。
また、固定資産税の評価は原則として3年ごとに見直されます。そのため、固定資産税評価額は土地価格の大まかな水準を見る材料にはなりますが、売却額を直接示す数字ではありません。
| 価格の種類 | 意味 | 使い方 |
|---|---|---|
| 実勢価格 | 実際に成約 した価格 |
売却価格の 目安 |
| 公示地価 | 国が示す 標準地価格 |
一般の 土地取引の 指標など |
| 基準地価 | 都道府県が 示す基準地 の価格 |
売買の目安、 地価動向の 把握 |
| 路線価 | 路線に面する 宅地評価額 |
相続税・ 贈与税の算定 |
| 固定資産税 評価額 |
固定資産税の 基準になる 評価額 |
固定資産税の 算定 |
実勢価格と公示地価の違い
実勢価格と公示地価は、どちらも土地価格の目安になりますが、同じ数字ではありません。
公示地価は標準的な土地を基準にした公的な価格である一方、実勢価格は実際に売買が成立した価格をもとにしています。
一般的には、実勢価格は公示地価の1.1〜1.2倍ほどが目安とされることがあります。ただし、この数字はあくまで概算であり、地域や土地の条件によって差が出ます。
都心部や需要が強い地域では差が広がることもあるため、公示地価だけで売却価格を決めるのではなく、近隣の成約事例や査定額もあわせて見る必要があります。
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不動産の実勢価格の調べ方

1.不動産情報ライブラリで近隣事例を確認する
国土交通省の不動産情報ライブラリでは、取引価格、地価公示、都道府県地価調査のほか、都市計画や周辺施設の情報も確認できます。
まずは売りたい不動産があるエリアで、面積や立地が近い事例を複数見ておくと、相場の幅が見えてきます。
2.公示地価・基準地価から概算する
土地であれば、公示地価や基準地価を確認し、一般的な目安として1.1〜1.2倍程度を参考にすると、価格帯の概算をつかめます。
ただし、この方法は売り急ぎの事情や周辺の売り物件数、土地ごとの細かな条件までは反映しません。
あくまで概算用の方法として使い、近隣の成約事例や査定額とあわせて見るのが無難です。
3.路線価・固定資産税評価額から土地の目安を出す
相続税路線価は地価公示価格等の80%程度、宅地の固定資産税評価額は7割程度が目安です。そのため、土地であれば次のような見方ができます。
- ・路線価 ÷ 0.8 → 公示地価水準の目安
- ・固定資産税評価額 ÷ 0.7 → 公示地価水準の目安
- ・1.1~1.2倍程度を参考にする → 実勢価格の概算
※この考え方は土地向けの概算です。建物付き不動産の売却額をそのまま示す数字ではありません。
4.不動産会社の査定で個別条件を反映させる
不動産会社の査定では、広さだけでなく、土地の形、道路との接し方、日当たり、周辺環境、建物の傷み具合まで見て価格を出します。そのため、公開データだけでは分からない物件ごとの条件も反映できます。
まずは机上査定で大まかな相場を確認し、売り出し価格を決める前に訪問査定で詳しく見てもらう流れが一般的です。
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不動産の実勢価格に関するQ&A
- Q1.実勢価格とは何ですか?
- A1. 実勢価格とは、実際の売買で成立した価格をもとにした相場の目安です。
-
広告に出ている売り出し価格ではなく、最終的に成約した金額を参考にする点が特徴です。 不動産を売るときは、売却価格の目安を考える材料として使われます。
- Q2.実勢価格は公示地価とどう違いますか?
- A2. 実勢価格は、実際の売買で成立した価格をもとにした数字なのに対し、公示地価は国が毎年公表する標準地の価格で、土地取引の目安として使われます。
-
実務では、実勢価格は公示地価の1.1〜1.2倍ほどが目安とされることがありますが、地域や条件によって差が出ます。
- Q3.実勢価格はどうやって調べますか?
- A3. 実勢価格は、不動産情報ライブラリで近隣の成約事例を確認して調べる方法が基本です。
-
売りたい不動産に近い場所で、面積や立地が似ている事例を複数見ると、価格帯を掴みやすくなります。
併せて、不動産会社の査定も確認すると、個別条件を含めた価格の目安を見やすくなります。
- Q4.実勢価格だけで売却価格を決めてもよいですか?
- A4. 実勢価格だけで売却価格を決めるのは避けたいところです。
-
同じエリアでも、土地の形、前面道路、日当たり、周辺環境などで価格差が出るためです。
実勢価格は相場の目安として使い、最後は査定額や売却の時期も踏まえて売り出し価格を決める流れになります。
まとめ
実勢価格は、不動産がいくらで売れそうかを見るうえで役立つ目安です。ただし、公示地価、基準地価、路線価、固定資産税評価額とは役割が異なり、1つの数字だけで売却額を決めるとズレることがあります。
まずは不動産情報ライブラリで近隣事例を確認し、公的価格で価格帯をつかみ、最後に査定で個別条件を反映させる流れが基本です。売却額の組み立てで困ったときは、実勢価格の確認とあわせて査定も依頼しておくと、価格の根拠を揃えやすくなります。