傾いた家でも売却できる?価格への影響や告知義務について解説

ご自宅の傾きに悩み、「このままの状態で売れるのだろうか」と不安に感じていませんか。
傾いた家でも売却は可能ですが、成功させるためには傾きの程度を正しく把握し、状況に合った方法を選ぶことが大切です。
この記事では、家の傾きの許容範囲や売却価格への影響、そして売却方法の選択肢について解説します。
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家の傾きの許容範囲はどれくらい?

売却を考える際は、まず「どの程度の傾きが問題になるのか」を知ることが必要です。
ここでは法的基準や傾きの調査方法についてご紹介します。
品確法が定める傾斜基準
住宅の品質を守るための法律「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」では、床の傾きに明確な基準があります。
1mあたり3mm未満(1000分の3)の傾きであれば欠陥の可能性は低く、1mあたり6mm以上(1000分の6)は欠陥の可能性が高いといえます。
1000分の6は約0.34度に相当し、人によっては頭痛やめまいを感じることもあるようです。
「契約不適合」と売主の説明義務
建物の傾きが大きい場合、「契約不適合責任」と判断される可能性があります。
契約不適合責任は、建物が本来備えているべき品質や性能を満たしていない状態のことで、住宅としての安全性や快適性に支障をきたす欠陥を指します。
床の傾きによって生活に支障が生じたり、耐震性に不安が出たりする場合、契約不適合責任に該当する可能性が高いでしょう。
所有している物件にこうした事象があるにも関わらず、売主が事実を知りながら買主へ伝えなかった場合、売買後にトラブルへ発展する恐れがあります。
買主が契約内容と異なる状態だったと判断すれば、売主に対して修理を求める「追完請求」や、損害賠償請求、契約解除などを求めることができるからです。
このように、売主は“契約不適合責任”という法的な責任を負う立場にあります。
そのため、売主が自宅の傾きを把握している場合は、どの程度の傾きがあるのか、いつ頃から発生したのか、修理の有無など、できるだけ正確に買主へ伝える「告知義務」があります。
事前に正しく説明することで、売買後のトラブルや責任問題を避けられるだけでなく、買主の不安を和らげ、円滑な取引につながるでしょう。
傾きを調べる方法と費用
家の傾きを自分で確認する簡単な方法は以下のとおりです。
●床にビー玉やボールを置いて転がり方を見る
●水平器を利用して複数箇所を測る
ただし、これらの方法では傾きの有無は分かっても、どの程度傾いているのかといった正確な数値までは把握できません。
そのため、売却を検討している場合や、傾きが生活に影響していると感じる場合は、専門家による詳細な調査を受けることをおすすめします。
調査の依頼先としては、住宅診断士や建築士事務所などが一般的で、費用は建物の広さによって異なりますが 5万円〜10万円前後が目安です。
売却活動をスムーズに進めるためにも、可能であれば事前に専門家の調査を受けておくと安心でしょう。
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家の傾きは売却価格にどう影響する?

前章では家の傾きの基準について説明しましたが、「では実際に売却価格にはどれほど影響するのか?」と気になる方も多いでしょう。
ここでは、傾きがどの程度価格を押し下げるのか、その目安と理由を解説します。
傾きの度合いと減価率の目安
家の傾きが売却価格に与える影響は、傾斜の大きさによって大きく変わります。
1000分の3未満というごく軽度の傾きであれば、違和感が少ないため、価格への影響は比較的軽微です。
1000分の3〜6未満の場合、欠陥として扱われることが多く、健全な物件に比べて市場価格の10〜30%ほど下落 する可能性があります。
1000分の6以上となると、健康被害が懸念されるレベルで、市場価格の30〜50%以上の減額となるケースが一般的です。
さらに1000分の10以上では、建物としての価値がほとんど認められず、建物自体には評価がつかないケースも少なくありません。
このように、傾きが大きくなるほど修繕費の増加や安全性の問題が大きくなり、売却価格に強く影響する点が特徴です。
修繕の費用感と耐震リスク
傾いた家の査定額が大きく下がってしまう主な理由のひとつが、修繕にかかる高額な費用です。
家の傾きを根本から改善するには大がかりな工事が必要になることもあり、数百万円規模の費用が発生するケースも珍しくありません。
さらに、修理費用と同じくらい深刻なのが、耐震性に対するリスクです。
家が傾いた状態では、地震が起きた際に揺れを建物全体で均等に受け止めることができず、一部の構造に力が集中しやすくなります。
その結果、損傷や倒壊の危険性が高まり、安全性の問題として査定額が大幅に下がってしまいます。
買主心理とローン審査の壁
傾いた家の価格が下がる要因は、物理的な欠陥だけではありません。
市場側の心理や金融機関の評価も大きく影響します。
多くの買主は安全に暮らせる家を求めており、「傾いている」という事実だけで強い不安を抱きやすくなります。
この心理的な抵抗感が購入希望者を遠ざけ、結果として売却価格が低下しやすくなるのです。
さらに、住宅ローン審査の壁も無視できません。
金融機関は融資にあたり、物件の担保価値を厳しく評価しますが、傾いた家は評価が極めて低くなります。
そのため、銀行によっては担保として不適切と判断して融資を断ることもあり、ローンが組めない物件は必然的に需要が下がり、売却価格も大きく落ち込んでしまいます。
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傾いた家の売却方法とは?

最後に、傾いた家を売却する際に選べる3つの方法と、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
そのまま不動産会社へ売却する
1つ目の方法は、家の傾きを修理せず、現在の状態のまま売却する方法です。
売却先として多いのは、欠陥物件や訳あり物件を専門に扱う不動産会社による買取です。
この方法の最大のメリットは、売主が高額な修繕費を負担しなくて良い点にあります。
また、多くの場合、売主が負う契約不適合責任を免除する特約をつけられるため、売却後のトラブルを避けやすいことも特徴です。
一方、デメリットとしては、売却価格が相場より大幅に下がりやすいことが挙げられます。
不動産会社は、傾きを直すための修理費用や、再販売時のリスクを踏まえて価格を提示するため、市場価格の5割〜7割程度になることが多いです。
修繕してから売却する
2つ目の方法は、傾きを修理してから一般の市場で売却する方法です。
傾きが軽度で、修理費用以上に売却価格が高くなる見込みがある場合に有効といえます。
ただし、高額な修繕費をかけても希望価格で売れない可能性があり、「傾いていた家」という事実が買主の不安につながり、値引き交渉を受けやすくなる点は注意が必要です。
修繕を選ぶ際は、事前に見積もりを取り、費用対効果を慎重に判断しましょう。
解体して更地で売却する
3つ目は、建物を解体して更地にし、土地として売却する方法です。
傾きが大きい場合や、建物が古く価値が低い場合に選ばれます。
木造住宅の解体費用は一般的に120万~180万円ほどで、工期は2週間~1か月程度です。
更地にすれば建物の契約不適合責任を避けられる一方、固定資産税の優遇措置(住宅用地の特例)が適用されなくなり、固定資産税が最大で6倍に増額する可能性がある点には注意が必要です。
また、売却が長引くと3,000万円控除が使えない場合もあるため、更地にするかどうかは解体費用や税負担、売却までの期間を総合的に考えて判断しましょう。
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まとめ
家の傾きは1mあたり6㎜以上になると欠陥と判断される可能性が高く、売主には後々のトラブルを防ぐための告知義務があります。
傾きが大きいほど売却価格は大幅に下がりやすく、修繕費が高額になりやすいため、買主側の不安やローン審査の通りにくさが価格低下の要因となります。
売却方法には、現状のまま不動産会社へ売る、修繕してから売る、解体して更地で売るという3つの選択肢があり、状況に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。
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