借地権付きの家は売却可能?売却方法や流れについても解説

借地権付きの家は売却可能?売却方法や流れについても解説

借地権付きの家を売却しようと考えたとき、通常の不動産とは異なる点に戸惑う方も多いのではないでしょうか。
借地権には複数の種類があり、それぞれに応じた売却方法や手続きの進め方を理解することが欠かせません。
とくに地主からの承諾が必要な場面もあるため、事前に流れや要件を確認しておくことが重要です。
本記事では、借地権の基本的な仕組みから、売却に必要な手続きや注意点まで詳しく解説いたします。

借地権とは何かについて

借地権とは何かについて

不動産を売却する際、所有している物件が借地権付きかどうかは大きな判断材料になります。
借地権の種類や権利関係を把握せずに進めると、価格評価や手続きで想定外の負担が生じる恐れがあるでしょう。
ここでは代表的な普通借地権、定期借地権、旧法借地権の特徴を整理し、売却前に押さえるべきポイントをまとめます。

普通借地権

普通借地権は平成4年8月1日施行の借地借家法に基づき、初回30年以上で契約更新を前提とする仕組みです。
借地人が更新を望む場合、地主は地代長期滞納や無断増改築など正当理由を示さなければ拒否できません。
権利形態には地上権と賃借権があり、地上権は譲渡や建替えが自由、賃借権は地主の承諾が必要と対照的です。
更新時には更新料を請求される例が多く、標準的には借地権価格の2〜5%が目安といわれます。
更新料の額は地域慣行や借地契約書の定めによって変動するため、事前に専門家へ目安を確認しておくと安心です。
また、将来的に建物を建替える場合、増改築承諾料の交渉が必要になることがある点も押さえておきましょう。
さらに、借地非訟による更新条件調整が行われることもあり、紛争時の解決手段として覚えておくと大変役立ちます。

定期借地権

定期借地権は満了後に更新されず、住宅用は50年以上、事業用は10年以上50年未満で期間を設定します。
契約終了時には建物を取り壊して更地返還することが原則ですが、建物譲渡特約付借地権なら存続期間30年以上で地主が建物を買い取るため取壊しが不要です。
期間限定利用に適する半面、長期資産形成には不向きな点を留意しましょう。
住宅用定期借地権では更地返還の解体費用を想定し、契約時に解体準備金を積立てる例があります。
この負担を含めた実質地代を確認しておくことが重要です。
また、残存期間が短いと価格が急減するため、途中売却の際は査定額の下落幅を見積もっておきましょう。

旧法借地権

旧法借地権は平成4年7月31日以前の契約に適用され、借地人保護が強いのが特徴です。
堅固な建物は初回60年、非堅固な建物は30年で契約し、その後の更新期間は30年・20年となります。
地主が更新を拒むには厳格な正当事由が必要であり、借地人は長期間安定して土地を利用できます。
旧法借地権の売却では、借地権割合が高く評価され、路線価の6〜7割程度が目安とされます。
ただし、旧契約では地代改定条項や承諾料の記載が曖昧なことが多く、後にトラブルになりやすい点に注意が必要です。
更新手続を怠った結果、承諾料を上乗せ請求された事例も報告されています。
裁判例でも借地人有利傾向です。

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借地権付き建物を売却する3つの方法について

借地権付き建物を売却する3つの方法について

借地権付建物の売却は、権利の複雑さから慎重な対応が求められます。
ここでは「地主に売却」「第三者に売却」「底地権を絡めた売却」という三つの方法を比較し、それぞれのポイントを解説します。

地主に売却

もっともシンプルな選択肢は、借地権を地主へ譲渡する方法です。
地主は土地と建物を一体所有できるため交渉がまとまりやすく、譲渡承諾料が不要になることもあります。
ただし、売却価格は相場より低くなる傾向があるため注意。
交渉前に不動産会社へ査定を依頼し、第三者の評価を基準に適正価格を探ると安心です。
売却交渉では、地代滞納がないことや建物の維持記録を示すと価格交渉が進みやすくなります。
譲渡所得税の負担を抑えるため、長期譲渡特例や居住用財産の控除が使えるか税理士に確認しましょう。
地主が相続対策で早期取得を望む場合、市場価格より有利にまとまる例もあります。

第三者に

第三者への売却では地主の譲渡承諾が不可欠で、承諾料は借地権価格の5〜10%が目安です。
金融機関によっては借地権物件への融資が厳しい場合もあるため、買主のローン条件を確認しておきます。
借地契約書、地代、残存期間などの情報を整理し、借地権取扱い実績のある不動産会社に媒介を依頼することで、専門家の仲介によりトラブルを未然に防げます。
第三者への売却では、借地権残存期間がローン期間より長いかが審査ポイントです。
残り25年程度では返済期間が短縮され、資金計画に影響します。
更新合意書で期間を延長する方法もあるため、事前に検討しましょう。

底地権

底地権とは借地契約のある土地の所有権で、これを買い取って土地と建物を一体化すれば所有権付不動産として売却可能です。
成立には地主の売却意思と適正価格の査定が前提となり、専門家の評価を得て交渉を進めることが重要です。
底地権購入後は固定資産税など土地所有者の負担が増えるため、長期のキャッシュフローを試算しておきましょう。
公租公課を含めた総コストに対し、賃貸経営や転売など将来の収益が上回るかを比較することが大切です。
借地人と共同で底地を取得し、後に等価交換で単独所有にした成功例もあります。

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借地権付き建物を売却する流れについて

借地権付き建物を売却する流れについて

借地権付建物の売却には、通常の不動産取引と異なる手順や書類が求められます。
以下に一般的な流れを示すので、準備の参考にしてください。

仲介契約を結ぶ

まず借地権取扱い経験が豊富な不動産会社と媒介契約(専属専任・専任・一般の三種)を締結します。
会社は物件査定を行い、建物状態や契約残存期間を加味して販売価格を設定し、適切な広告と販売チャネルで買主を探します。
媒介契約の種類によって報告頻度や囲い込みリスクが異なるため、契約前に特徴を比較することが重要です。
専属専任は週一回報告義務がある一方、自己発見取引ができない点がデメリットです。
一般媒介は自由度が高い反面、広告費が抑えられる例もあるため担当者の販売計画と実績を確認しましょう。

地主の承諾

借地権を第三者へ譲渡する際は、地主の承諾を得ることが法律上必要です。
承諾料の相場は借地権価格の10%前後で、負担者や支払時期は交渉で決めます。
合意が得られない場合、借地非訟手続によって裁判所から代諾許可を得ることも可能ですが、時間と費用がかかるためまずは協議を重ねましょう。
承諾交渉では、譲渡先の資力や利用目的を丁寧に説明し、地主の不安を解消することが合意への近道です。
タイムリーなオンライン面談を利用すれば遠方在住の地主とも円滑に協議できます。
承諾料を分割払いとし買主の負担を抑えた例もあるため、柔軟な提案を心掛けましょう。

借地権譲渡承諾書

承諾を得たら借地権譲渡承諾書を作成し、売主・買主・地主が署名押印します。
承諾書には承諾料、支払時期、譲渡条件を明記し、書式は地主と事前確認すると円滑です。
内容の不備を防ぐため、司法書士や不動産会社に確認を依頼しましょう。
承諾書には地代精算日や固定資産税負担区分を明記し、決済後のトラブルを防止しましょう。
印紙税が課税されるため、書類の通数と税額区分を十分確認しておくと余計なコストを避けられます。
筆界未定地があれば境界確定測量を併行することで、買主の安心感が高まり成約率が向上します。

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まとめ

借地権付き建物の売却では、権利の性質や契約内容を正しく理解し、適切な手続きを踏むことが重要です。
売却方法によっては、地主の承諾や契約書の整備などが必要になるため、事前の確認と準備が欠かせません。
まずは借地権の種類を見極めたうえで、専門家の助言を受けながら最適な売却手法を選ぶことが成功への近道です。

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