負動産とは?相続した負動産の処分や相続放棄について解説

負動産とは?相続した負動産の処分や相続放棄について解説

相続には、現金や自宅などのプラスの資産だけでなく、所有し続けるだけで赤字になる「負動産(ふどうさん)」と呼ばれる負の資産が含まれる場合があります。
もし負動産を相続する可能性があるなら、将来的に多額の維持費や損害賠償リスクを背負わないよう対策が必要です。
今回は、負動産とは何か、相続した負動産を処分する具体的な方法、そして相続放棄の注意点について、最新の制度を交えて解説します。

負動産とはなにか?放置するリスクと特徴

負動産とはなにか

利益をもたらさず、税金や管理費などの維持コストだけがかかり続ける、資産価値がマイナスになる不動産は、負動産と呼ばれる場合があります。
負動産となる可能性がある物件の例は、以下のとおりです。

●バブル時代に購入した地方のリゾートマンションや別荘地
●買い手がつかない過疎地の山林や原野

●空室が多いアパートやマンション
●接道義務を満たしておらず再建築不可の土地

●農地
●倒壊の恐れがある特定空き家


これらを放置すると、単に家計を圧迫するだけでなく、以下のような3つの深刻なリスクを招きます。
さらに、負動産の「負」といえる特徴を3つ解説します。

固定資産税と都市計画税の負担

不動産は使用するかに関わらず、所有いているだけで固定資産税が発生します。
郊外で評価額が低い土地であっても、広ければそれだけ高額な税金がかかります。
また、農地ではなく、建物も建っていない土地は、固定資産税の軽減措置が受けられません。
農地の軽減措置を適用するためには、継続して耕し続ける必要があります。
建物が建っている場合には、適切な管理が求められます。
管理していない空き家が特定空家に指定された場合は、軽減措置が受けられなくなり、固定資産税が指定前の約6倍になるケースもあるため注意が必要です。

管理不全による損害賠償リスクがある

使用されておらず、管理も適切におこなわれていない土地や建物には、損害賠償リスクがあります。


●雑草や樹木が道路にはみ出し、視界を遮って交通事故を誘発した

●老朽化した建物の外壁や屋根が剥落し、通行人に怪我をさせた

●空き地に不法投棄されたゴミから発火し、火災に至る


これらの事態が発生した場合、所有者は「工作物責任」を問われ、被害に遭った近隣住民に対して、多額の損害賠償を命じられる恐れがあります。

そのため、損害賠償リスクがある空き地や空き家は、負動産であるといえるでしょう。

維持管理の手間とコスト

使用していない空き地や空き家であっても適切に管理する必要があり、管理には手間や費用がかかります。
空き地は草木が生い茂らないよう、定期的な手入れが必要です。
建物は老朽化によって倒壊する前に、定期的な修繕やメンテナンスをしなければいけません。
不動産の状態を地域の環境を乱さない水準に保つためには、月に1回程度の管理が必須となります。
遠方にある物件を相続した場合、管理のために定期的に通うことは大きな負担となるでしょう。
管理会社に委託すれば年間数万〜数十万円のコストが固定費として積み重なり、まさに「負の資産」となります。

▼この記事も読まれています
不動産売却にかかる期間はどれぐらい?長引くときの対処法を解説

相続した負動産を処分する方法

相続した負動産を処分する方法

相続した土地や建物が価値をもたらさない「負動産」だった場合は、大きな負担を抱える前に処分することをおすすめします。
ここでは、負動産の処分方法を3つ解説します。

負動産の処分方法①売却する

土地や建物の状態が比較的良い場合は、売却による処分を検討できます。
売り出し価格を下げて空き家を売り出せば、リフォーム前提の「古家付き土地」として、一定の需要がある場合があります。
土地の条件が良い場合は更地にしてから売り出すと、買い手の用途が広がり、高く売れるケースも少なくありません。
周辺エリアの不動産売買経験が豊富な不動産会社に依頼すれば、適切な売り出し方が提案できるでしょう。

負動産の処分方法②空き家バンクに登録する

売却の見込みがない負動産については、自治体の空き家バンクを利用することを検討できます。
空き家バンクとは、空き家の譲渡や貸し出しを希望する所有者と、移住希望者をマッチングするサービスです。
多くの自治体では、空き家対策に力を入れており、空き家バンクのサービスを実施しています。
なかには、空き家の改修工事に対する補助金制度を用意している自治体もあります。
空き家バンクをとおした売却や賃貸借契約は低価格になるケースも多いですが、一般市場では見つかりにくい利用者が見つかる可能性が広がる点はメリットです。

負動産の処分方法③寄附する

隣地所有者など、近隣に住む人に土地や建物を寄附する選択肢があります。
個人に寄附した場合、物件の評価額が110万円以上であれば、贈与税が課される点に注意しましょう。
会社関係者であれば、営利法人への寄附の選択肢もあります。
営利法人が不動産を受け取る場合は、会社側に不動産取得税や登録免許税、法人税などがかかります。
NPO法人、学校、寺社などの非営利団体に寄附する場合は、譲渡所得税が発生しません。
公益性が高い不動産の場合は、自治体が寄附を受け入れてくれるケースもあります。
自治体が不動産の寄附を受け入れるケースは稀ですが、希望する場合は窓口でも相談できます。

▼この記事も読まれています
不動産売却で消費税はかかる?課税・非課税になるケースを解説!

負動産を相続放棄する方法

負動産を相続放棄する方法

相続が発生したことを知った時点で、負動産を相続放棄することもひとつの手です。
ここでは、相続放棄の概要と手続き、注意点について解説します。

相続放棄の概要

相続放棄とは、プラス・マイナス両方の遺産の相続をすべて放棄することを指します。
相続放棄が可能なのは、相続の開始があったことを知ってから3か月以内です。
3か月以内に相続放棄の手続きをしないと、自動的に相続が決定してしまうため、注意が必要です。
相続人が複数いる場合でも、相続放棄の手続きは個人個人がおこないます。
相続人のうち、相続を選ぶ方と相続放棄を選ぶ方に分かれることも可能です。
相続人全員が相続放棄した場合、不動産は国庫に入ります。

相続放棄の手続き

相続放棄をするためには、家庭裁判所への申請が必要です。
まず、家庭裁判所に直接出向くか、ホームページ上から相続放棄申述書を入手します。
相続放棄申述書の提出時に添付する、以下の書類の準備も必要です。

●被相続人の戸籍謄本
●被相続人の住民票または戸籍の附票
●相続放棄する人の戸籍謄本
●収入印紙
●郵便切手


相続放棄申述書に記載する内容は、申述人名や被相続人、放棄の理由などで、それほど多くありません。
相続放棄の手続き自体にかかる費用は、2,000円前後です。
ただし、手続きを弁護士や司法書士などの専門家に依頼する場合は、報酬として10万円程度の費用がかかる場合があります。

相続放棄の注意点

相続放棄の手続き前に、相続財産の一部を消費したり売却したりした場合は、相続放棄ができなくなるため注意しましょう。
また、相続放棄は放棄する内容を選択できず、すべての財産を放棄することを意味します。
負動産は手放したくても、他の遺産を相続したい場合は、相続放棄以外の選択がおすすめです。
相続放棄しても、土地の管理義務は消えない点にも注意が必要です。
相続人が全員相続放棄した場合は、債務の精算や遺産の国庫帰属の手続きをおこなう相続財産管理人が選出されます。
しかし、相続財産管理人が決まる前までは、法定相続人に財産の管理義務が問われます。
つまり、その期間中に建物が倒壊して、隣人に損害を与えるなどの状況が起きた場合、法定相続人が賠償責任を負わなければいけません。
相続放棄をした瞬間に、すべての義務が消えるわけではない点は覚えておきましょう。

▼この記事も読まれています
不動産売却を住みながらおこなう方法とは?メリットや注意点をご紹介!

まとめ

負動産とは、利益をもたらさず、資産価値もない不動産のことです。
負動産を処分する方法としては、売却や空き家バンクの利用、寄附などが検討できます。
相続放棄をする場合は、プラスの財産も手放さなければいけない点や、相続財産管理人が決まるまでの間は管理義務が続く点に注意しましょう。

共有持分専門買取センター

共有持分の不動産に特化した専門知識と実績を活かし、複雑な事情にも丁寧かつ誠実に対応しています。
不動産の共有状態は人それぞれ異なる課題を抱えており、だからこそ、個別の事情に寄り添った親身なサポートを大切にしています。

■強み
・共有持分の不動産に特化した専門スタッフによる対応
・相続 / トラブル案件も含めた高額買取や迅速な売却実績多数
・大阪を拠点に周辺エリアからの相談にも柔軟に対応

■事業
・相続や離婚、権利調整を伴う共有持分の不動産買取・売却
・共有者との関係整理や法的アドバイスのサポート