隠し子でも相続できる?相続権や手続きの流れについても解説

隠し子でも相続できる?相続権や手続きの流れについても解説

もし、亡くなった方に家族も知らない子どもがいた場合、遺産相続は一体どうなるのでしょうか。
法律上、その子どもにも他の相続人と同様に財産を受け取る権利があり、相続手続きは慎重に進める必要があります。
この記事では、隠し子の相続権の基本から、具体的な手続きの流れ、さらに思わぬトラブルを避けるための注意点までを解説いたします。
突然の事態に戸惑い、何から手をつけて良いかわからないという方は、ぜひこの記事をご参考になさってくださいね。

隠し子に相続権はある?

 隠し子に相続権はある?

隠し子の相続について考える際、押さえるべきは法律上の権利関係です。
まずは、隠し子の相続権と法定相続分について、解説していきます。

子であれば原則相続人になる

民法では、亡くなった方の子であれば、結婚している夫婦の間に生まれた子かどうかにかかわらず、原則として相続人になります。
ただし、結婚していない男女の間に生まれた子が相続権を持つためには、亡くなった父親から「認知」されていることが必要です。
したがって、亡くなった父親が認知をしていない子は、たとえ血の繋がりがあっても法律上の相続人とは認められず、相続権も発生しません。
このように、「認知されているかどうか」が、お子さまが相続人になれるかを左右する、重要な点だと覚えておきましょう。

嫡出子と同じ相続分になる

かつての民法では、結婚していない男女の間に生まれた子の法定相続分は、結婚している夫婦の間に生まれた子の半分と定められていました。
しかし、この区別は、生まれによる差別を禁じた日本国憲法の「法の下の平等」に反するのではないかと、長年議論されてきました。
この問題に大きな変化をもたらしたのが、2013年9月4日の最高裁判所による決定です。
この最高裁判所の判断を受けて、同じ年の12月に民法が改正されることになりました。
改正後の民法では、嫡出子と非嫡出子の法定相続分は同じ割合となり、相続における子どもの平等が保障されています。

死後認知の手続きと期限

父親が生きている間に認知をしなかった場合でも、相続権を得る方法が残されており、それが「死後認知」という制度です。
これは、父親が亡くなった後、お子さまやその代理人が家庭裁判所に訴えを起こし、強制的に認知を認めさせる手続きを指します。
ただし、この「死後認知の訴え」は、父親が亡くなった日から3年以内におこなわなければならないという、厳格な期限が定められています。
裁判では、親子関係を証明するための有力な証拠として、DNA鑑定が用いられるのが一般的です。
裁判所が訴えを認める判決を出し、それが確定すれば、父親とお子さまの間には、お子さまが生まれた時までさかのぼって、法律上の親子関係が成立します。

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隠し子判明後の相続手続きの流れ

 隠し子判明後の相続手続きの流れ

前章では、隠し子の相続権について述べましたが、実際に判明した場合はどう手続きを進めれば良いのでしょうか。
ここでは、隠し子が判明した場合の相続手続きの流れについて、解説いたします。

戸籍で相続人を確認する

相続手続きを始めるうえで、もっとも重要な作業が「相続人調査」です。
相続人を調べるには、亡くなった方の出生から死亡までの一連の戸籍謄本などを、すべて取得するのが基本となります。
これには現在の戸籍はもちろん、結婚や転籍などで作り変えられる前の除籍謄本や、改製原戸籍謄本も含まれるのが一般的です。
相続人が確定した後は、お子さまを含むすべての相続人に対して、遺産の分け方を話し合いたい旨を通知します。
後の揉め事を避けるためにも、この通知は内容証明郵便などを使い、連絡した事実を記録として残しておくのが望ましいでしょう。

全員での遺産分割協議

お子さまを含むすべての相続人が確定して連絡が取れた場合、次は「遺産分割協議」という段階へ進みます。
この話し合いは、相続人全員が参加したうえで、全員がその内容に合意しなければ成立しません。
1人でも協議に参加していない、あるいは合意内容に反対する方がいれば、遺産分割協議書は法的な効力を持たないのです。
まずは、不動産や預貯金といったプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産もすべて含んだ財産目録を作成しましょう。
そのうえで法定相続分を基本としつつも、それぞれの相続人の状況なども考慮に入れ、全員が納得できる着地点を探っていくことになります。
協議がまとまれば、合意内容を「遺産分割協議書」という書面にまとめ、相続人全員が署名と実印の押印をします。

協議が不調なら調停へ

当事者間の話し合いがどうしてもまとまらない場合、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることができます。
調停とは、裁判官と調停委員が中立的な立場で当事者の間に入り、円満な解決を目指す手続きです。
調停の申し立ては、相続人のうち1人または複数人が、他の相続人全員を相手方として家庭裁判所におこないます。
調停の場では、当事者が直接顔を合わせることなく、調停委員を介してそれぞれの主張を伝えながら話し合いを進めることも可能です。
全員が合意に至れば、その内容をまとめた「調停調書」が作成されます。

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隠し子がいる相続で押さえるべき3つの注意点

 隠し子がいる相続で押さえるべき3つの注意点

ここまで、隠し子の相続権や手続きの流れを解説しましたが、思わぬ揉め事を避けるための注意点も押さえておきましょう。
最後に、隠し子が関与する相続の注意点について、解説していきます。

相続人調査を怠るリスク

まず、もっとも注意すべき点は、相続人を確定させる調査がいかに重要か、そしてそれを怠った場合にどのような危険性があるかという点です。
万が一、相続人調査が不十分で、お子さまの存在を見落としたまま協議を成立させても、その話し合いは根本から無効となってしまいます。
協議が無効であるということは、不動産の相続登記や預貯金の解約といった手続きも、後から覆される可能性があるのです。
このような事態を防ぐには、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を、漏れなく集めて調査することが不可欠です。

死後認知請求の期限とリスク

亡くなった方の死後、お子さまの側から親子関係の確定を求める、「死後認知」に関する注意点について見ていきましょう。
この死後認知の訴えは、父親が亡くなってから3年以内であれば、家庭裁判所に起こすことが可能です。
万が一、遺産分割が終わった後に死後認知が認められると、その遺産分割協議は無効になります。
このような場合、新たに相続人となったお子さまは、他の相続人に対し、自分の法定相続分にあたる金銭を支払うよう請求することが可能です。
相続開始から3年間は、分け直しの可能性が常に残ると理解しておくと、判断を誤りにくくなります。

生前のトラブル防止策

生前の対策として、お子さまの存在をわかっている場合、もっとも有効な手段の1つが、法的に有効な「遺言書」を作成しておくことです。
遺言書で、誰にどの財産を相続させるか具体的に指定しておけば、相続人間の無用な対立を避けやすくなります。
そのなかでも、公証役場で作成する「公正証書遺言」は、無効になりにくく、確実性が高い方法といえます。
ただし、遺言書を作成するうえで注意すべきなのが、相続人に保障された最低限の取り分である「遺留分」です。
認知されたお子さまにもこの遺留分は認められており、遺言書をもってしても、この権利を完全に奪うことはできません。
そのため、遺言書を作る際は、すべての相続人の遺留分を考慮し、専門家と相談しながら文案を整えることが、後の揉め事を防ぐ鍵となります。

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まとめ

父親に認知された子は、結婚している夫婦の子と同じ割合で財産を相続でき、死後3年以内なら死後認知も可能です。
相続が始まったら、まず戸籍で相続人調査をおこない、その後、子を含む相続人全員で遺産分割協議を進めましょう。
相続人調査を怠ると協議が無効になるため、後の紛争を防ぐには、遺留分を考慮した遺言書の作成が有効となります。

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