相続時の遺産分割協議について!起こり得るトラブルと解決策も解説

不動産を含む財産を相続する際には、遺産分割協議を通じて相続人同士で取り決めをおこなう必要があります。
遺言書の有無や家族関係によって、協議の進め方が大きく変わるため、事前の知識が重要です。
また、相続では感情的な対立が起きやすいため、冷静な対応と公平な視点が求められます。
本記事では、遺産分割協議の基本的な流れやよくあるトラブル、解決策について解説いたします。
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遺産分割協議とは

相続を控えると「遺産分割協議」の意味が気になるものです。
ここでは「相続」と「遺言書」の2つの観点から概要を整理します。
相続とは
相続とは、亡くなった方(被相続人)の財産や負債を、法定相続人が引き継ぐ手続きのことです。
法定相続人には配偶者や子ども、直系尊属、兄弟姉妹などが含まれ、孫や甥姪が代わりに相続することもあります。
被相続人の財産は相続開始と同時に相続人全員で共有状態となり、その分け方を決めるのが遺産分割協議です。
法定相続分は民法で定められているものの、相続人全員が合意すれば、預貯金や不動産、株式、負債などを自由に分けることも可能です。
専門家へ早めに相談すれば、感情面の負担も軽減できます。
遺言書
遺言書がある場合、原則としてその内容に従って相続が進められます。
公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言の3種類があり、それぞれ方式や証人の要否に違いがあります。
遺言書で全ての財産が指定されていない場合や、遺言の内容に相続人全員が合意すれば、遺言書と異なる分割も可能です。
遺言書では、最長5年を限度として遺産分割協議を禁止することができ、その期間中は協議をおこなえません。
相続開始から10年を過ぎると、特別受益や寄与分の主張ができなくなり、原則として法定相続分で分けることになります。
特定受遺者は遺産分割協議に参加しなくても遺言に従って遺贈を受けられますが、包括受遺者(または相続人でもある受遺者)は他の相続人とともに協議に参加する必要があります。
遺産分割協議書
遺産分割協議が整った際には、必ずその内容を書面にして「遺産分割協議書」として残す必要があります。
この書面がないと、不動産の相続登記や金融機関での名義変更はできないと覚えておきましょう。
遺産分割協議書には相続人全員の署名と押印が求められ、印鑑証明書の添付も必要になります。
全員が協議に参加していない場合、その協議は無効となるため、慎重に進めることが重要です。
協議がまとまらない場合には、家庭裁判所に調停や審判を申し立てることになります。
まず「調停」では、家庭裁判所で調停委員を交え、あくまで話し合いによる合意を目指します。
もし、調停でも話がまとまらなければ(調停不成立)、手続きは自動的に「審判」へと移行するのです。
審判では、裁判官がすべての事情を考慮した上で、最終的な遺産の分け方を法的に決定します。
いずれにせよ、客観的な資産評価や法定相続分に基づく判断が下されるため、できる限り当事者間の話し合いで解決するのが望ましいでしょう。
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遺産分割協議におけるトラブル

相続で不動産を受け継ぐ際、誰もが気になるのが「トラブル」です。
ここでは遺産分割協議で起こりやすい「範囲」「分割方法」「評価方法」の3つを取り上げます。
トラブル①範囲
遺産分割協議では、そもそも何が「遺産」なのかを明らかにすることが最初の関門です。
不動産や預貯金はもちろん、死亡時点で被相続人に帰属していた財産が対象となりますが、法定相続人への生前贈与は相続開始前10年以内のものを中心に特別受益として遺産総額に加算される可能性があります。
死後に消失したものは、範囲に含まれません。
範囲が不明瞭だと全体像が見えないため、相続人間で誤解が生じやすくなります。
実際に「財産目録」を作成し、包括的に共有することで、漏れや隠蔽のリスクを減らすことが推奨されています。
また、相続人の範囲そのものでもトラブルが起こる場合もあるでしょう。
未成年者や認知症の相続人がいる場合には、家庭裁判所による特別代理人や後見人の選任が必要で、参加漏れは協議を無効にするため注意が必要です。
トラブル②分割方法
物理的な分割が難しい不動産では、共有名義による「共有分割」が一時的な解決策として使われることがありますが、固定資産税や維持管理の負担、売却時の同意問題などから、将来的に新たな争いに発展しかねません。
専門家からは、できるだけ避けるようアドバイスされています。
また、「代償分割」という方法もあります。
これは、不動産を特定人が取得する代わりに、他の相続人に金銭を支払う方式で、評価方法によって受け取る金額が変わるため、事前の納得が重要です。
協議がまとまらない場合には、家庭裁判所で調停・審判を申し立てることになります。
調停委員を介した合意や、不動産鑑定士による評価がおこなわれ、公平な判断が下されます。
トラブル③評価方法
不動産を含む遺産評価では、相続税評価額ではなく、実勢価格(時価)が原則として用いられます。
時価と路線価や固定資産税評価額との間に差がある場合、分割割合に大きな影響を与えることがあります。
評価基準としては、「公示地価」「実勢価格」「相続税評価額」「固定資産税評価額」など複数ありますが、相続人全員が合意すれば、どの方式を選んでも構いません。
ただし、専門家による査定で精度を高める手続きが推奨されています。
合意できない場合には、不動産鑑定士の鑑定評価を受けるか、調停・審判で裁判官が定める評価をベースに分割されます。
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相続の遺産分割協議が揉めた際の解決策

遺産分割協議でトラブルが起きると、相続手続きが止まり、相続人の関係もぎくしゃくしてしまいます。
「相続」「調停」「遺言執行者」の観点から具体策を確認しましょう。
解決策①相続
まず、相続に関わるトラブルは、感情的な対立が根元にあります。
とくに、兄弟姉妹間で不仲な場合、話し合いが進まず、当初仲が良くても関係が悪化することが多いです。
こうした場面では、弁護士など第三者による仲介が有効です。
中立な立場で話をまとめることで、冷静に合意点を探るきっかけになります。
また、連絡が取れない相続人がいる場合は、戸籍の附票を取得して住所を確認し、正式な通知をおこない、協議から除外しないよう進めることが重要です。
解決策②調停
遺産分割協議がまとまらない場合には、家庭裁判所への「調停」申し立てが対処法となります。
調停では、裁判所の調停委員が中立の立場で話し合いを進め、公平な解決を図ります。
調停に臨む際には、通知書・申立書を確認し、自分の主張や譲歩できる点を整理しておくことが肝心です。
出席できないと話が進まなかったり、信頼を失う恐れもあるため、期日が合わなければ裁判所に延期申請し、誠実に対応しましょう。
解決策③遺言執行者
遺言執行者は、遺言の内容を実現するために、財産目録の作成や名義変更などをおこなう強い権限を持つ専門家です。
2019年7月1日施行の相続法改正により、民法1012条・1015条が改められ、遺言執行者は相続人の代理人ではなく、自らの名で遺言執行に必要な一切の行為をおこなえるようになりました。
信頼できる人物や専門家を遺言執行者に指定しておけば、遺産分割や名義変更の際に相続人間の争いを避け、スムーズに手続きを進められます。
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まとめ
相続における遺産分割協議は、家族間の合意形成を図り、円満な相続を実現するための重要な手続きです。
遺言書の有無や財産の内容を事前に整理し、分割方法について冷静に話し合う姿勢が求められます。
万が一の対立に備えては、遺言執行者の選任や家庭裁判所での調停も選択肢として考慮しましょう。
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