送電線下の不動産は売却できる?価格や評価への影響についても解説

送電線下の不動産は売却できる?価格や評価への影響についても解説

ご所有の土地のうえに送電線が通っていることで、売却価格が下がってしまうのではないかとご不安ではありませんか。
送電線下の不動産は確かに特殊な条件ですが、その特徴や法的な扱いを正しく理解し、適切な対策を講じることで、納得のいく売却を目指すことは十分に可能です。
この記事では、売却前に知っておきたい送電線の種類から、不動産価格に与える影響と対策、さらに適正な評価額を調べる方法までを解説いたします。
送電線下の不動産売却を少しでも有利に進めたいとお考えの方は、ぜひこの記事をご参考になさってくださいね。

送電線の種類とそれぞれの特徴

送電線の種類とそれぞれの特徴

送電線下の不動産を売却する際は、その送電線の種類を把握することが重要です。
まずは、送電線の電圧ごとの種類と、それぞれの特徴について解説していきます。

電圧による定義と扱い

送電線の電圧は、「電気事業法」という法律で明確に区分されています。
具体的には、「低圧」「高圧」「特別高圧」の3種類に分類され、それぞれ定義が異なります。
まず「低圧」は、直流で750V以下、交流では600V以下の電圧のことです。
次に「高圧」は、直流・交流ともに7,000V以下の電圧を指し、主にビルや工場で利用されます。
また、「特別高圧」は7,000Vを超える高い電圧で、発電所から電気を送る巨大な鉄塔はこれにあたります。
これらの区分は、不動産の建築制限といった法律上の扱いに直接関わってくるため、把握しておくことが売却するうえで大切です。

低圧・高圧線の特徴とリスク

一般的に、電柱の一番上に張られた3本程度の太い電線は、6,600Vの高圧線にあたります。
その高圧線から変圧器で電圧を下げ、各家庭へ引き込む細い電線が低圧線になります。
低圧送電線が敷地のうえを通っていても、不動産の価値に直接的な悪影響を及ぼすことはほとんどないでしょう。
一方で高圧送電線の場合、電線との安全な距離を確保することが、法律で定められています。
そのため、建物の高さや形状に制約が生じる可能性があり、協議が必要になることも考えられるのです。

特別高圧線の懸念と注意

3つの電圧区分のうち、不動産価値へもっとも大きく影響するのが「特別高圧送電線」です。
巨大な鉄塔に支えられた送電線がもたらす影響としては、主に景観や健康への懸念などが挙げられます。
まず、大きな鉄塔や太い送電線は眺望を損ねるため、物件の資産価値を下げる原因にもなり得ます。
さらに、送電線から発生する電磁波の健康への影響について、不安に思う方はいらっしゃるかもしれません。
また、もっとも重要な点は、法律によって明確な建築制限が定められていることです。
安全確保のため、特別高圧送電線の直下や両側3mの範囲内には、原則として建物を建てられません。
したがって、売却時には、建築制限の内容を正確に把握し、買主へ明確に告知する義務があります。

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送電線が不動産価格に与える影響と対策

送電線が不動産価格に与える影響と対策

前章では、送電線の種類について述べましたが、実際に価格へどのような影響があるのか気になりますよね。
ここでは、送電線が不動産価格に及ぼす影響と、その対策について解説いたします。

建築制限による価格低下

送電線下の不動産評価額が下がるもっとも直接的な要因は、法律に基づく建築制限です。
とくに、特別高圧送電線の場合、安全確保のため送電線の直下や周辺での建築が厳しく制限されます。
具体的には、送電線の両端から水平距離で3mの範囲内には、原則として建物を建てることができません。
この規制によって敷地を自由に利用できなくなり、建物の規模が制限されてしまう場合があります。
これは、土地の利用価値を大きく損なうため、不動産の資産評価における明確な減価要因となります。
このような土地は「線下地」と呼ばれ、通常の土地評価額から10%から30%程度減額されるのが一般的です。

補償金の仕組みと考え方

電力会社は、土地の上空に送電線を通す対価として、「補償金」を支払っている場合があります。
これは、送電線を維持管理するために、土地を利用する権利(地役権)を設定する契約に基づくものです。
補償金の存在が、必ずしも売却価格の下落分を埋め合わせるとは限りません。
理由としては、買主の視点では、購入後に自身が永続的に、建築制限という不利益を受けることになるためです。
売却の際は、補償金の契約内容を買主へ正確に開示し、価格設定の根拠を説明することが重要です。

騒音や電磁波の影響

法的な建築制限という物理的な要因にくわえて、買主の主観的な印象も価格を左右します。
これは「心理的瑕疵」と呼ばれ、送電線に関しては、主に騒音と電磁波への懸念が該当するでしょう。
騒音については、とくに特別高圧送電線で、雨や霧の際に「ジー」という音が発生することがあります。
これはコロナ放電という現象によるもので、静かな住環境を求める方には懸念材料となりかねません。
次に、電磁波による健康への影響について、漠然とした不安を抱く購入希望者は少なくないのが現状です。
そのうえでマイナス要因を価格に反映させ、周辺物件より割安な設定で売り出すことが有効な手段となります。

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送電線下の不動産評価と売却前のチェック項目

送電線下の不動産評価と売却前のチェック項目

ここまで、送電線が与える影響を解説しましたが、売却前に確認すべき評価方法もおさえておきましょう。
最後に、不動産の評価方法と、売却前のチェックリストについて解説していきます。

公的査定と民間査定

送電線下にある不動産の価値を知る方法には、大きく分けて「公的査定」と「民間査定」の2つがあります。
公的査定とは、税金の計算に用いる評価額のことで、相続税や固定資産税の基準になるものです。
たとえば、相続税の計算では、建築制限を受ける土地の評価額は、最大で30%控除される規定があります。
これは送電線下の土地が、公的にも価値が低いと認識されている客観的な根拠といえるでしょう。
一方の民間査定は、実際の市場で「売れる価格」を把握するために、不動産会社などへ依頼します。
適正な価格で売却するためには、複数の不動産会社に査定を依頼し、その根拠を比較検討することが重要です。

地役権登記の確認方法

売却活動を始める前には、物件の法的な権利関係を明確にすることが大切です。
とくに、送電線下の土地では、「地役権」が設定されているかどうかの確認がもっとも重要となります。
地役権とは、電力会社が送電線を設置・維持するために、他人の土地を利用する権利のことです。
これを確認するもっとも確実な方法は、法務局で「登記事項証明書」を取得することでしょう。
この地役権は、土地の所有者が変わっても買主に引き継がれるため、売主には正確な告知義務があるのです。
権利関係が不明確なまま売却すると、後々深刻なトラブルに発展するリスクがあるため、注意しましょう。

契約内容の確認ポイント

登記事項証明書とあわせて、電力会社と交わした「地役権設定契約書」などの確認も必須です。
この契約書には、土地利用に関する具体的な制約や、権利義務が詳細に記されています。
まず、建物の建築や樹木の植栽などが、どの程度禁止・制限されているかを正確に把握しましょう。
また、制限を受ける土地の範囲が、図面などでどのように定められているかも確認が必要です。
これらの契約内容は、すべて買主の将来の土地利用計画に直接影響を与える情報となります。
そのため、売却時には買主が理解しやすいように整理し、具体的な影響をわかりやすく伝えることが大切です。

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まとめ

送電線は、低圧・高圧・特別高圧の3種類があり、とくに特別高圧線は、景観や建築制限により不動産価値へ大きく影響します。
送電線下の土地は、制限の影響で評価額が10〜30%下がり、騒音や電磁波への懸念も価格に反映されます。
売却前には、不動産会社の査定と地役権の確認をおこない、電力会社との契約内容を正確に把握しておくことが大切です。

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