越境がある不動産を売却する方法は?注意点についても解説

「隣家の軒先が敷地に入り込んでいる」「自宅のブロック塀が境界を越えてしまっている」など、越境状態にある不動産の売却でお困りではありませんか。
こうした越境問題を曖昧なまま放置していると、隣地トラブルに発展するだけでなく、住宅ローンの審査が通らず、売買契約自体が白紙になってしまうリスクも潜んでいます。
本記事では、そもそも越境とは何かという基礎知識から、覚書の締結や是正工事など、状況に応じた最適な解決策と売却手順について解説いたします。
後々のトラブルを未然に防ぎ、少しでも有利な条件で不動産を売却したいとお考えの方は、ぜひご参考になさってください。
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越境とは

不動産売却において、越境の法的な位置づけと現状を理解しておくことが大切です。
まずは、越境の定義や発生しやすい場所、放置した場合のリスクについて解説していきます。
法律上の意味と民法の扱い
越境とは、本来の境界線を越えて、建物や塀、樹木などが隣の土地にはみ出している状態のことです。
これは地面の上にあるものだけでなく、空中に突き出した屋根や雨樋、地中に埋まった配管なども対象になります。
民法207条では、土地の所有権はその土地の上下に及ぶと決められているため、越境は他人の所有権を侵害しているとみなされるのです。
そのため、侵害された側の所有者は妨害排除請求権という権利を使って、越境物の撤去や是正を求めることができます。
また、樹木の枝や根の越境については民法233条に関係しますが、最近の法改正によって、条件付きではあるものの自分で隣家の枝を切れるケースも増えてきました。
塀や樹木など代表的な事例
ここでは、よくある越境の例を見てみましょう。
古い分譲地などでは、実際の塀の位置が本来の境界線とズレていることは珍しくありません。
また、ブロック塀やフェンスなどの外構は、見た目は敷地内にあっても、地中のコンクリート基礎だけが隣にはみ出していることがあります。
さらに、庭木や生け垣の枝が隣の敷地や家の上空へ伸びると、落ち葉や害虫の問題でトラブルになる可能性があります。
建物の軒先やバルコニー、エアコンの室外機などの設備にくわえ、地中に埋設された雨水や汚水の配管も越境の対象です。
放置した場合のリスク
越境をそのままにして売却を進めると、さまざまな懸念材料を抱えることになります。
隣の方との関係が悪化したり、話し合いが難航したりして、売却活動がスムーズに進まない可能性があります。
買主の方は越境を気にするため、事実を伝えずに売ると契約不適合責任を問われ、修理代や損害賠償を請求されるかもしれません。
住宅ローン審査においては、銀行が資産価値への影響を懸念する場合があり、融資の承認が得られないケースも考えられます。
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越境物件を売却する際の3つの注意点

前章では、越境の基礎知識を述べましたが、売却活動においては実務的な対応が求められます。
ここでは、境界確定や覚書の取り交わし、住宅ローンへの影響といった注意点について解説いたします。
境界確定と測量図の重要性
越境物件を売るための第一歩は、敷地の境界を明確にし、登記の内容と実際の状況にズレがないかを確認することです。
具体的には、土地家屋調査士などの専門家にお願いして測量をおこない、隣地の所有者の方と一緒に境界の目印となる境界標を確認します。
その結果をもとに作られる確定測量図は、売買契約や重要事項説明のときに根拠となる大切な書類です。
あわせて、登記事項証明書や公図、地積測量図といった資料も整理しておきましょう。
事前に準備を整えることで、買主の方や銀行に対して土地の状況を説明でき、安心した取引につなげることができます。
覚書の作成目的とポイント
万が一、越境が見つかった場合、多くのケースでは「覚書」という書類を、売主と買主、隣地所有者の方の三者で交わすことになります。
覚書とは、越境している物を当面はそのままか、それともいつまでに直すのかといった約束事を書面にしたものです。
誰が読んでも誤解がないように、越境物の種類や位置、所有者、今後の管理方法や撤去費用の負担者などを具体的に書くことが大切です。
しっかりとした覚書があれば、売主としての責任を明確にできるだけでなく、買主の方も安心して購入を決断できるでしょう。
住宅ローン審査への影響
近年は、住宅ローンを使って家を買う方が多いため、審査の前に越境の状況を整理しておく必要があります。
銀行などの金融機関は、担保にする不動産の権利関係が明確化されているかを重視しており、越境の状態を確認されます。
たとえ少しの越境であっても、測量図や写真、覚書のコピーなどを提出し、越境の内容と今後の対応が決まっていることを説明しなくてはなりません。
一方で、建物が大きくはみ出しているようなケースでは、工事で直したり権利関係を整理したりするまで、融資の判断に時間がかかることもあります。
売却のスケジュールや資金計画にも関わってくるため、早めに資料を準備し、不動産会社や銀行と相談しながら進めることが大切です。
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越境トラブルを解決してスムーズに売却する方法

ここまで、越境物件の売却時の注意点を解説しましたが、ご自身の状況に合わせた解決策を選ぶことも重要です。
最後に、撤去や覚書による対応、買取の活用など、スムーズに売却する方法について解説していきます。
越境物を撤去・是正する
越境物件の将来のトラブルを根本からなくす方法は、越境物を物理的に撤去してしまうことです。
ただし、いきなり工事をするのではなく、まずは隣の方に原因や工事内容を丁寧に説明しましょう。
そのうえで、工務店や外構業者に見積もりをお願いし、塀の作り直しや木の伐採、配管工事などにいくらかかるか確認します。
工事の内容によっては、費用が数十万円から数百万円になることもあるため、売却価格とのバランスを考えながら検討しましょう。
覚書で現状有姿売買する
撤去に多額の費用や時間がかかる場合、お互いが今の状態を受け入れたうえで、現状有姿売買として売る方法もあります。
これは、建物や土地を今ある姿のままで引渡す契約であり、売主は撤去義務を負わない代わりに、その状態を買主の方へしっかり説明することが必要です。
この場合も覚書の作成は欠かせず、いつまでそのままで良いか、建て替え時はどうするかなどを記載し、あとから認識の違いが起きないようにします。
この方法であれば大きな工事費をかけずに済みますが、越境の内容によっては買主の方が不安を感じる可能性もあるため、丁寧な説明を心がけましょう。
買取業者に相談して売却
時間や手間をかけずに、越境の問題ごとスッキリ手放したいという場合は、不動産の買取業者に売却するのも一つの手です。
一般の方に向けて売る仲介と違い、業者が直接買い取ってくれるため、広告を出したり内見の調整をしたりする手間がかかりません。
プロである買取業者は、将来の活用法や工事費用を見込んだ金額を提示してくれます。
そのため、売主は隣の方との交渉などの面倒な手続きを業者に任せて、問題を一括で解決できるのです。
相場よりも売却価格が調整される傾向はありますが、引渡しまでの期間を短縮できる点はメリットと言えるでしょう。
越境や境界のことで不安がある方は、まずは弊社へご相談ください。
お客様一人ひとりのご希望に寄り添ったご提案をいたします。
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まとめ
軒先や塀が境界を越える「越境」を放置すると、近隣トラブルだけでなく住宅ローン審査の否決につながり、売却の大きな障害となる可能性があります。
トラブルを防ぐには、測量図で境界を確定させ、隣地所有者と「覚書」を交わして権利関係を明確にしておくことが重要です。
是正工事や現状有姿売買にくわえ、早期に解決したい場合は専門業者の「買取」も選択肢とし、自身の状況に合った売却方法を検討しましょう。
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