擁壁付き不動産の売却方法について!売りにくい理由も解説

擁壁付き不動産の売却方法について!売りにくい理由も解説

擁壁のある土地や建物を売却したいけれど、なかなか買い手が見つからずにお困りではありませんか。
傾斜地を支える擁壁は、老朽化による倒壊リスクが懸念されるうえ、高額な工事費用や建て替え制限などの問題から、一般的な売却が難しいのが現実です。
本記事では、擁壁に関する基礎知識をはじめ、擁壁付き不動産が売りにくいと言われる理由と、専門業者の買取を活用して安全に手放すための具体的な方法について解説します。
擁壁のある不動産の売却や買取をご検討中の方は、ぜひご参考になさってくださいね。

不動産の擁壁とは?

不動産の擁壁とは?

擁壁のある不動産を売却する前に、まずは擁壁とは何かを把握する必要があり、その役割には主に地盤の崩壊を防ぐことなどがあります。
まずは、擁壁の基本的な役割や関連する条例について解説していきます。

擁壁の定義と基本の役割

擁壁とは、高低差のある土地で土砂の崩落を防ぎ、住宅を支える地盤を安定させる壁状の構造物です。
鉄筋コンクリートや石などが使われ、地中の基礎を含む構造全体で背後の土から受ける力を支えます。
また、雨水が地中にたまると水圧が高まり、擁壁へ大きな負荷がかかるため、排水への配慮も欠かせません。
そこで、壁面の水抜き穴や裏側の砕石で水を外へ逃がし、圧力を抑える仕組みが設けられています。
売却前には、ひび割れなどの外観だけでなく、水抜き穴の詰まりや排水状況も確認すると良いでしょう。
このように、擁壁は壁本体と排水機能が一体となり、土地や建物の安全を支える重要な設備といえます。

高低差のある土地に必須

傾斜地では、切土や盛土によって、住宅を建てられる平らな敷地をつくるのが一般的です。
このとき生じる高低差では、土が横へ動こうとする力を受け止める必要があるため、擁壁を設けると地盤が安定します。
とくに盛土部分は、雨水の浸透や地震の揺れによる影響も考えて、安全性もしっかりと確保しなければなりません。
そこで、擁壁と排水設備を組み合わせ、土砂の流出や地盤への負担を抑えることが大切です。
また、隣地との高低差がある場所では、上側から下側へ土砂が流れ込むのを防ぐ役割も果たします。
擁壁を適切に設ければ平らな部分を確保しやすくなり、土地を有効に活用しやすくなるでしょう。

がけ条例と安全基準の確認

がけ崩れの影響を受ける敷地では、安全確保のために擁壁の設置など適切な措置が必要です。
自治体のがけ条例では、高さ2m超や傾斜30度超などを基準とし、建物をがけから離して配置する場合があります。
ただし、対象条件や必要な距離は地域ごとに異なるため、管轄する自治体へ必ず確認することが重要です。
また、高さ2mを超える擁壁では、確認申請や完了検査などの手続きが必要になるケースもあります。
そこで、売却前に行政の記録や図面、検査済証の有無を整理しておくと、買主へ説明しやすくなるでしょう。
なお、書類だけで現在の安全性を判断せず、現地の状態も併せて確認することが大切です。

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擁壁付き不動産が売りにくい3つの理由

擁壁付き不動産が売りにくい3つの理由

前章では擁壁の役割や重要性について述べましたが、いざ売却となると売れにくい現状があります。
ここでは、擁壁付き不動産が買主から敬遠されがちな理由について、解説します。

倒壊リスクと危険な擁壁

擁壁付き不動産が売りにくい理由の一つは、経年劣化による地滑りや倒壊への不安を抱きやすい点です。
表面のひび割れや壁が外側へ膨らむ「はらみ」は、安全性を確認するうえで重要な項目になります。
また、水抜き穴が詰まると地中に雨水がたまり、壁へかかる圧力が大きくなるため、排水状態も見逃せません。
さらに、築造時は適法でも法改正後の基準に合わない既存不適格擁壁では、状態に応じた確認が必要です。
古い壁へ継ぎ足した2段擁壁なども、安全性や管理方法を専門家に確認すると良いでしょう。
そのため、売却前に擁壁の外観と排水機能を調べ、買主へ状態を説明できるよう備えることが大切です。

高額な補修費用の負担

補修や造り直しにかかる費用が大きいことも、擁壁付き不動産の買主が慎重になる理由です。
造り直す場合は、新しい擁壁の工事費にくわえ、既存壁の解体や撤去、仮設土留めなどの費用も発生します。
また、土を掘って処分し、完成後に戻す作業も必要になるため、関連工事を含む見積もりを取ることが重要です。
たとえば、高さ2m・幅10mの擁壁では、条件によって300万円から500万円程度かかるケースがあります。
ただし、実際の金額は擁壁の規模や重機の搬入条件、敷地状況によって大きく変わるでしょう。
そのため、売却前に概算費用を把握すれば、買主も購入後の資金計画を検討しやすくなります。

建て替え時の建築制限

建て替えを考える買主にとって、現在の擁壁を利用できるかは、建築計画を左右するポイントです。
とくに検査済証が見当たらない場合は、行政記録を確認し、専門家による調査や安全性の再確認が必要でしょう。
また、安全性を確認できない擁壁では、がけ条例により、建物をがけから一定距離離すよう求められる場合があります。
地域によっては、がけの高さに応じた距離が定められ、建物を配置できる範囲が狭くなることもあるでしょう。
そのため、希望する広さや間取りには、補強や造り直しが必要になるケースも考えられます。
売却前に建築条件を整理しておけば、買主が将来の計画を検討しやすくなります。

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擁壁リスクを回避して安全に売却する方法

擁壁リスクを回避して安全に売却する方法

ここまで擁壁付き物件の売れにくい理由を解説しましたが、これらの課題を克服して売却する方法もおさえておきましょう。
最後に、擁壁付き不動産を安全に売却するための具体的な手順や手段について解説していきます。

専門家による調査と提案

擁壁付き不動産を売却する前には、専門家へ相談し、壁の状態や排水設備を調べてもらうことが大切です。
調査では、ひび割れの幅や深さ、壁の膨らみ、水抜き穴の状態などを確認し、必要に応じて地盤も調べます。
また、目視だけでは判断しにくい部分があるため、診断結果をもとに必要な対応策を検討しましょう。
たとえば、ひび割れへの樹脂注入や水抜き穴の清掃、壁の補強、地盤改良などが選択肢になります。
さらに、擁壁の造り直しや建物基礎の工事が必要な場合は、自治体へ事前相談して手続きを確認することも重要です。
こうした調査結果を整理しておけば、売却時に買主へ状態を説明しやすくなります。

補強工事と安全性の証明

補強工事をおこなう場合は、専門家の提案をもとに範囲や費用を確認し、売却時期も踏まえて計画的に進めることが大切です。
その際は、完成後だけでなく、施工途中の写真や作業記録も残し、処置をした部分がわかるようにしておきましょう。
また、調査報告書や工事契約書、擁壁の図面、確認申請の書類、検査済証などもまとめて保管します。
さらに、契約前には不動産会社と資料を共有し、条例の制限や現状を買主へ説明できるよう準備しましょう。
こうした情報がそろえば、買主は物件の安全性や将来の利用計画を判断しやすくなります。
結果として、認識違いを防ぎ、状態を適切に伝えやすくなるでしょう。

専門の買取業者への売却

補修費用や売却時期を踏まえ、擁壁付き不動産の実績ある買取業者へ査定を依頼する方法があります。
専門業者は自社で補修や再活用をおこなうため、工事をせず、現況のまま引き渡せることもあるでしょう。
ただし、買取価格や引渡し時期にくわえ、契約不適合責任を免除する特約の有無や範囲も確認することが大切です。
また、売主が把握している擁壁の状態や過去の工事内容は、査定時から正確に伝えましょう。
さらに、一定期間は仲介で売却し、売れなければ決めた価格で買い取る買取保証を利用できる場合もあります。
そのため、対象条件や仲介期間、買取価格を比較し、予定に合う方法を選ぶと良いでしょう。

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まとめ

擁壁は高低差のある土地で地盤を支える構造物であり、高さ2mを超える擁壁は原則として建築確認の対象ですが、がけ条例の適用条件は自治体ごとに異なります。
擁壁付き物件は、経年劣化による倒壊リスクや高額な補修費用への懸念にくわえて、建て替え時に厳しい建築制限を受ける可能性があるため買主から敬遠されがちです。
安全に売却するためには、専門家に調査と補修を依頼して安全性を証明するか、現況のままでも対応可能な専門の不動産買取業者へ売却を相談すると良いでしょう。

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