土地の分筆費用について!登記の流れや負担者も解説

土地の分筆費用について!登記の流れや負担者も解説

所有している土地の一部だけを売却したいと考えた際、避けて通れない「分筆」にかかる費用や手続きの全容が分からずにお困りではありませんか。
専門的な知識が求められる測量や境界確定には少なくない時間と費用がかかるため、後々になって予期せぬ金銭トラブルに発展してしまうケースも存在します。
本記事では、土地を分筆する際に生じる費用の相場や内訳、専門家への依頼から登記完了までの具体的な流れ、そして状況によって異なる費用負担の考え方について解説します。
費用に関する不安を解消し、近隣トラブルのないスムーズな不動産の売却を実現したいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。

土地の分筆にかかる費用の相場

土地の分筆にかかる費用の相場

土地の分筆をおこなう際には、主に土地家屋調査士への報酬や税金など、いくつかの費用項目があります。
まずは、分筆にかかる費用の全体像と、具体的な内訳について解説していきます。

調査士への報酬相場

土地の分筆では、1筆の土地を登記上で複数に分けるため、土地家屋調査士へ測量や登記手続きを依頼するのが一般的です。
総費用は40万円から80万円程度が目安となり、調査士への報酬は30万円から60万円ほどでしょう。
一方、境界が確定していれば10万円から20万円程度で済む場合もあります。
しかし、境界確定測量が必要になると30万円から80万円程度が追加され、隣地所有者や行政との調整費が生じることもあるでしょう。
さらに、広い土地や高低差のある土地では総額が100万円を超える可能性もあるため、事前の見積もりでは作業内容と追加費用の有無をしっかり確認することが大切です。

登録免許税の計算式

登録免許税は、登記を申請するときに国へ納める税金で、分筆登記でも必要になります。
分筆では土地の価格や面積ではなく、分筆後の土地の筆数をもとに税額を計算する仕組みです。
具体的には「1,000円×分筆後の筆数」で、1筆を2筆に分ければ2,000円、3筆なら3,000円となります。
そのため、予定する区画数が決まっていれば、事前に税額を把握しやすいでしょう。
また、申請時は必要額の収入印紙で納めるのが基本となるため、土地家屋調査士へ依頼する際は報酬と税金を分けて確認しておくことが重要です。
なお、売却に伴って所有権移転登記もおこなう場合は、別途登録免許税が必要になります。

書類取得や境界標代

分筆では、登記事項証明書や公図、地積測量図などを取得するための実費も発生します。
書面請求の目安は、登記事項証明書が1通600円、公図や地積測量図がそれぞれ1通500円です。
また、住民票や印鑑証明書が必要になることもあり、隣接地が多ければ書類代が数千円から数万円になる場合があります。
さらに、境界の位置を示す境界標は、材料と設置作業を含めて1か所あたり数千円から1万円程度が相場でしょう。
土地の状態によって使用する部材も変わるため、設置数と工事内容を見積もりで確認することが大切です。
なお、現地や隣地所有者が遠方の場合は、交通費や出張日当が加わるケースもあります。

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調査士への依頼から分筆完了までの流れ

調査士への依頼から分筆完了までの流れ

前章では分筆にかかる費用について述べましたが、実際にどのような手順で進むのか、気になりますよね。
ここでは、土地を分筆する際の具体的な手続きの流れについて解説します。

依頼から測量の準備

分筆を始める際は、土地家屋調査士に相談し、目的を伝えて依頼するのが基本です。
依頼後は、対象地や隣接地の権利関係を調べ、登記事項証明書、公図、測量図などを集めて資料調査へ進みます。
さらに、市区町村や道路管理者で、道路や水路の管理状況、過去の境界確認記録も確かめると良いでしょう。
そのうえで現地を訪れ、図面と塀や柵を照合し、越境物の有無などを確認する事前調査をおこないます。
ただし、資料収集や行政への確認には時間を要する場合があるため、売却時期から逆算して予定を組む必要があるでしょう。
準備に数週間かかることもあるので、測量開始までの目安を確認しておくと安心です。

境界立ち会いと確定

現地測量後、土地家屋調査士は測量結果と資料を照合し、登記上の筆界を検討します。
次に、隣接地の所有者と境界立ち会いをおこない、双方の認識に違いがないかを確かめる工程です。
また、道路や水路に接する土地では、官民境界を確認するため行政担当者の立ち会いが必要な場合もあります。
関係者が境界に合意した後は境界確認書を作成し、隣地所有者から署名や押印を受けるのが一般的でしょう。
ただし、所有者が遠方の場合や相続登記が未了の場合は、連絡や日程調整に時間を要する可能性があります。
そのため、合意まで長引くことも考慮し、境界確定後に境界標を設置して次の工程へ進むことが大切です。

分筆案作成と登記申請

境界が確定したら、売却範囲や希望面積に合わせ、土地の分け方を示す分筆案を作成します。
この段階では建物の位置や自治体のルールを確認し分割線を決め、新たな境界点には境界標を設置する流れです。
さらに、分筆後の面積や境界線の距離を反映した地積測量図を作成し、登記申請書や境界確認書とともに法務局へ提出します。
その後、登録免許税を納めて審査を受け、必要に応じて現地調査がおこなわれる場合もあるでしょう。
申請から完了までは通常1週間から2週間程度が目安で、手続き後は新しい地番と独立した登記記録が作られます。
最後に登記完了証や測量図の控えを受け取り、分筆手続きは完了です。

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ケースによって異なる分筆費用の負担者

ケースによって異なる分筆費用の負担者

ここまで手続きの流れを解説しましたが、その費用を最終的に誰が支払うのかも、おさえておきましょう。
最後に、分筆費用の負担者について、状況別の考え方を解説していきます。

相続による分筆の場合

相続した土地を分筆する場合、費用負担は法律で一律に決められておらず、相続人同士の話し合いで決めるのが基本です。
遺産分割協議では、土地の取得者とあわせて、測量費や登記費用の負担方法も確認します。
たとえば、法定相続分に応じて分担するほか、遺産の預貯金から調査士報酬を支払う方法もあるでしょう。
また、分筆後の土地を取得する方同士で折半したり、分筆を希望した相続人が全額を負担したりするケースもあります。
そのため、後から認識の違いが生じないよう、費用の割合や支払元を遺産分割協議書に明記しておくことが重要です。
相続人全員で内容を確認すれば、手続きも進めやすくなります。

売却目的は売主が負担

売主自身の希望で土地を分筆する場合は、売却準備に必要な費用として売主が負担するのが一般的です。
たとえば、広い土地を複数区画に分けるケースや、所有地の一部を売却する場合が該当します。
売却には、引渡しまでに境界確定と分筆登記を済ませ、独立した土地にしておく必要があるためです。
そのため、売主が土地家屋調査士へ測量や登記申請を依頼し、報酬や実費を支払う流れとなるでしょう。
一方、分筆費用を売出価格へ反映することはできますが、売却代金を受け取る前に費用が発生する点には注意が必要です。
数十万円単位の支払いに備え、見積もり額と支払時期を確認して資金計画を立てておきましょう。

買主要望なら買主負担

売却予定のない土地でも、買主の要望に応じて分筆する場合は、買主が費用を負担するケースがあります。
たとえば、隣地所有者が駐車場を広げるために10㎡だけ購入したい場合、測量や登記費用を買主が支払う考え方です。
しかし、境界立ち会いで合意できない、測量後に希望面積を確保できないなど、分筆や売買が成立しない可能性もあります。
そのため、着手金や測量費の負担者を作業前に決め、売買契約書や覚書へ明記しておくことが大切でしょう。
また、事情によっては売主と買主で費用を分担する方法も選べます。
分筆に至った経緯を踏まえ、双方が納得できる負担割合を事前に取り決めることが重要です。

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まとめ

土地を複数に分ける分筆費用の相場は総額で40万円から80万円程度であり、土地家屋調査士への報酬や登録免許税、境界標の設置費などが含まれます。
土地家屋調査士への依頼後は資料収集や現地測量を実施し、関係者による境界立ち会いで合意を得た後に図面を作成して、法務局へ登記申請をおこないます。
分筆にともなう費用の負担者はケースにより異なり、相続時は話し合いで決めますが、売却目的の場合は売主、買主の要望であれば買主が負担するのが一般的でしょう。

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