入院中でも不動産は売却できる?認知症で判断できない場合も解説

入院中でも不動産は売却できる?認知症で判断できない場合も解説

不動産の所有者が急に入院してしまい、売却手続きをどのように進めればよいか、途方に暮れていませんか。
所有者本人が入院中でも、適切な手順を踏めば不動産をスムーズに売却することは可能です。
当記事では、ご本人が手続きを進める方法から、ご家族が代理で売却する際の注意点、さらに判断能力に不安がある場合の法的な手続きまでを解説いたします。
所有者の入院という不測の事態に際し、不動産の売却を考えている方は、ぜひこの記事をご参考になさってくださいね。

入院中の自分の不動産を売却する3つの手順

入院中の自分の不動産を売却する3つの手順

入院中に不動産を売却する際には、所有者である自分自身が手続きを進める場合からおさえておきましょう。
まずは、入院中の自分が不動産を売却するために必要な、3つの手順について解説していきます。

入院先で進められる売却手続き

不動産の売却は、所有者ご本人の意思があれば、入院中でも手続きを進めることができます。
病室での面談やオンライン相談に対応できる不動産会社も多いため、事前に病院の許可を得れば手続きが可能です。
任せる不動産会社が決まったら、媒介契約を締結しましょう。
署名と捺印は必須となるため、必要書類は事前にチェックしておくと安心です。
媒介契約後は売却活動が始まり、内覧はご家族が立ち会えば問題ありません。
条件が整って売買契約へ進む際は、契約内容を司法書士が読み上げて意思確認をおこないます。
決済と引渡しは代理人の立ち会いのもと進められ、所有権移転の登記は司法書士が申請する流れです。

代理人を立てる際の必要書類と注意点

ご本人が手続きのために動けない場合は、代理人を定めて「委任状」を作成し、権限を明確にする必要があります。
委任状には、代理人の氏名や住所、売却する不動産の情報、そしてどこまでの手続きを任せるかを具体的に記載します。
ここでは、ご本人の署名と実印が必要で、発行後3か月以内の印鑑証明書を添付するのが必須です。
また、ご本人の本人確認書類や権利証(登記識別情報)も合わせて準備しましょう。
なお、委任状の書式に不備があると手続きが止まってしまうため、事前に司法書士へ確認しておくことが大切です。
司法書士は病院などでご本人と直接面談し、売却の意思を直接確認する手続きをおこないます。
これは、不正な財産処分を防ぐための重要な手順だといえます。

名義変更の要否と退院後に備えた流れ

不動産を売却する目的であれば、ご家族に名義を変更してもらう手続きは原則として不要です。
売却の意思が明確であれば、現所有者の名義のまま進めた方が良いでしょう。
安易に生前贈与をおこなうと、贈与税などの税負担を招く恐れがあります。
ここでいう「名義変更」は、売却時に買主へおこなう所有権移転登記のことで、司法書士が代理で申請します。
売却収入の使い道は事前にご家族と共有し、管理方法を決めておきましょう。
なお、譲渡益が出た場合は、翌年に確定申告が必要となります。
その場合は、税理士へ早めに相談しておくと、手続きがスムーズに進みます。
また、代理で手続きを進めた際には、費用の明細とともに報告書を作成して共有しておくことが大切です。

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親が入院中でも円滑に不動産売却するために取るべき対応

親が入院中でも円滑に不動産売却するために取るべき対応

前章では所有者本人が手続きを進める場合について述べましたが、親が入院されている場合は、子が代理人となって手続きを進めるケースも多いです。
ここでは、親が入院中でも円滑に売却するために、子どもが取るべき対応について解説いたします。

代理で進める際の条件と相続人間での合意形成

親の代理で売却を進めるためには、所有者本人の「意思能力」があることが前提です。
司法書士が直接面談し、売却内容を理解しているか、本人の意思であるかを確認し、問題がなければ手続きが可能となります。
そのうえで、親本人が署名・捺印した委任状を用意しましょう。
また、将来の相続人となる兄弟姉妹とも事前に情報を共有し、全員の理解を得ておきましょう。
法律上は親本人の意思のみで売却はできますが、ご家族間のトラブルを予防するためには、事前に共有しておくことが大切です。
チェック項目や説明資料はご家族全員と共有し、手続きの進行は常に明確にするよう心がけましょう。

名義変更に伴う贈与税などのリスクと回避策

手続きを簡単にするための一時的な名義変更は、避けたほうが良いでしょう。
親から子への名義変更は贈与と扱われ、贈与税や登録免許税、不動産取得税の負担が生じてしまいます。
一方で、親名義のまま売却すれば、これらの税負担は発生しません。
また、居住用の自宅であれば「3,000万円特別控除」を使える可能性があります。
金融機関との精算や抵当権抹消の段取りも、親名義で進める方が手順がスムーズです。
なお、税金面はご家庭ごとの状況によって差が出るため、見積段階で税理士へ確認しておくことが大切です。

親の判断能力低下に備えた遺言・家族信託

入院の長期化や、将来の認知症に備える設計も大切です。
家族信託を活用すれば、元気なうちに子へ管理処分権を託すことができます。
判断能力が落ちていても、受託者が契約に基づいて売却することが可能です。
任意後見制度では、将来の支援者を事前に選べます。
開始後は後見人が財産管理を担いますが、居住用不動産の売却は家庭裁判所の許可が別途必要です。
また、遺言は相続の指針を明確にし、遺産分割の争いを避ける助けになります。

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認知症の所有者の不動産を売却する方法

認知症の所有者の不動産を売却する方法

ここまで、入院中の所有者本人や親の不動産売却について解説しましたが、認知症などで判断能力が低下している場合の売却方法についても、おさえておきましょう。
最後に、認知症の所有者の不動産を売却する方法について解説していきます。

成年後見人選任の流れと必要書類・スケジュール

認知症などで所有者の判断能力が落ちてしまった場合は、家庭裁判所で「成年後見人」の選任が必要です。
制度は所有者本人の財産を守り、生活を支えるための公的な仕組みです。
まず、医師の診断書を取得し、申立書、財産目録、戸籍関係などを整えて申し立てましょう。
その後、調査官の面談や場合によっては医師鑑定がおこなわれ、裁判官が判断を下します。
申立てから裁判官の判断までは、通常2か月~4か月程度が目安となります。
なお、地域の家庭裁判所ごとに運用が異なる場合もあるため、事前に窓口で必要書類を確認しておきましょう。

後見人による売却時に必要な裁判所の許可申請

後見人がいても、居住用不動産の売却には、裁判所の許可が求められます。
理由としては、住まいを失う影響が大きく、必要性と妥当性が厳しく審査されるためです。
裁判所への許可申請では、売却が必要な理由を具体的に示す必要があります。
施設入所費の見積書や請求書、入所契約書などが売却の根拠となるため、事前準備が欠かせません。
許可後は条件に沿って契約と決済をおこない、登記手続きも漏れなく進めましょう。

売却代金の管理方法

売却代金は所有者本人の財産であるため、後見人はしっかりとした管理が求められます。
私的流用すると、横領とみなされるリスクは避けられません。
支出は医療費や介護費、税金など、所有者本人の利益に限定されます。
また、収支は帳簿に記録し、家庭裁判所へ定期報告が必要となります。
運用や支払いは通帳を分け、明細と領収書をきちんと保管しておくことが大切です。

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まとめ

不動産の所有者本人が入院中でも、意思能力があれば、オンライン相談や代理人を立てることで、売却手続きを進めることが可能です。
ご家族が代理で進める場合は、司法書士による意思確認と相続する方の合意が重要で、贈与税のリスクがある名義変更は避けたほうが良いでしょう。
万が一、認知症などで判断能力が低下している場合は、家庭裁判所で成年後見人を選任し、裁判所の売却許可を得る手続きが必要となります。

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